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スタッフコラム

栽培法の違いは、役割の違い

私は、「あらゆる生き物と共生する農業の仕組み創り」を求めた結果、自然栽培と出会うことになりました。

いきものを邪魔者とするのではなく、共生することで美味しい作物ができる、そんな常識に変われば、それが叶うと考えていました。

そして、自然栽培をやっている方やそれを支持するお客様にお会いしているうちに、「農薬や肥料を使わないのが最もいい」と思うようになっていました。

ですが、昨今流行りのSDGsに当てはめてみた時、
自然栽培には到底できないことがあると気づき、その考え方を手放しました。

例えば、「2、飢餓をなくす」という項目。

農薬や肥料は、生産性を拡大させ安定的な供給を可能にします。

ですが、有機栽培の生産面積や生産量は、日本国内で10年前に比べ50%増加したそうですが、全体の0.6%〜0.8%しかありません。
どう考えても、有機栽培が2030年までに拡大するとは考えられません。

一方で、違う目標「13、気候変動に具体的な対策を」「15、陸の豊かさも守ろう」には、貢献できるかもしれない。

これらを考えていて気づいたのが「役割の違い」です。

目的があって手段があるように、生産者さんも目的を持って栽培方法を選んでいるはず。
自然栽培や有機栽培を志す方の多くが飢餓をなくすような大量生産を担おうとしたわけではなく、おそらく自然や生態系の回復、人の健康などを考えてのことだと思います。

耕作放棄地を使った市民農園などを手掛けるマイファームの西辻さんがおっしゃっていました。

「栽培方法による縦のヒエラルキーをやめて、横のヒエラルキーにする」

私もこれに賛成です。
栽培方法の違いは、役割の違いであって、どれが上などという考え方は合わないと思います。

この記事を書いたのは

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代表取締役
井形 誠
2007年ころから、「あらゆる生き物と共存する農業の仕組みを作る」と自分の方針を固め、自然栽培の農業研修を受け、自然栽培食品店の責任者をし、自然栽培の果樹園を拓きました。 農業に転職する時、「販売の得意な農家になれば、後発農家も優位に立てる」と考えてマーケティングを勉強し、それを活かして「やればやるほどに自然が豊かになる農業」に取り組んでいます。 『薬に代わる食』『人と地球の健康を改善する』『いのちを大切にする文化を育てる』そんなテーマに共感できる方々を前進していきたいと考えています。

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