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ぶどうの畑を通じて、生きものたちの関係性を知る。

作物の「害虫」とされるのは、草食の虫たちです。

「草食系男子」という言葉があるように、人間だと優しくてちょっと弱そうなイメージですが、農業においては草食系が敵になります。

虫が面白いのは、草食性の虫は優しい顔立ちで、肉食系の虫は明らかに怖く、恐ろしさを表現しているような顔つきをしていることです。とってもわかりやすいですよね。

肉食の虫は「益虫」と呼ばれ、いわば農家の味方。

でも農業においては、葉っぱや果実を食べる害虫の大半が、可愛い顔をした草食系です。

一般の農業では、作物を守るために殺菌剤、殺虫剤、除草剤などの農薬を使います。また、防鳥ネットや獣害防止柵を設置して、畑への侵入を防ぎます。

そうやって、作物を「守る」ことで農業が成り立っています。

生態適合農業のぶどう畑(いにしえ/一家農園)

ただ、私は、生きものたちが行き交う畑を理想としています。それは、植物、微生物、虫、鳥、動物などが複雑に関係することで、バランスが保たれると考えるためです。

だから私の畑には、さまざまな生きものが生息していて、外から来たり、外へ出ていったりしています。

いろんな虫や微生物が多様に生息してほしいので、いろんな草花が生息できるように、草を刈る際も繁茂しているものだけを狙って半分くらいに減らしたり、時期ごとに芽を出す草があることを期待してまだらに刈ったりします。

何が正しいかはわかりませんし、どのように作用しているかも、ごくごく一部しか見えていません。

それでも近くにある自然をヒントに畑の環境づくりを生態適合農業の本質だと考えています。

この記事を書いたのは

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代表取締役
井形 誠
2007年ころから、「あらゆる生き物と共存する農業の仕組みを作る」と自分の方針を固め、自然栽培の農業研修を受け、自然栽培食品店の責任者をし、自然栽培の果樹園を拓きました。 農業に転職する時、「販売の得意な農家になれば、後発農家も優位に立てる」と考えてマーケティングを勉強し、それを活かして「やればやるほどに自然が豊かになる農業」に取り組んでいます。 『薬に代わる食』『人と地球の健康を改善する』『いのちを大切にする文化を育てる』そんなテーマに共感できる方々を前進していきたいと考えています。

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