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スタッフコラム

生態系の利用「アシナガバチによる芋虫の抑制」

ネークルが構想する農業のあり方に「生態適合農業(Japan-Eco-Friendly-Agriculture)」というものがあります。
この構想の一端である生き物との共生の取り組みをご紹介します。

 

生き物を大切にすればするほど生産性が上がる

「あらゆる生き物共存する農業の仕組み」を総称した農業のあり方を生態適合農業としているのですが、農薬や有害駆除で何かを排除するのではなく、栽培を生態系の一部に組み込むことで、

「生き物を大切にすればするほど生産性が上がる」を実現させる考え方です。

そこで3年前から取り入れているのが、アシナガバチの利用です。

アシナガバチは、果樹園などによく巣を作る蜂で、

今から10年くらい前、草刈りをしていた時に左手に何度も刺された経験もあります。

 

ですが、アシナガバチは、6月くらいから畑で葉っぱを食べる芋虫を好んで狩りをして幼虫に食べさせているので、農業利用できないものかと考えるようになりました。

 

アシナガバチの農業利用を考えている方がいた

ある時、鳥の巣箱を設置できないかとネット検索する流れで、

アシナガバチも巣箱を設置してそこに住んでくれたらいいな〜と、思っていたところ、山形のハチ蜜の森キャンドルの安藤さんを見つけました。

https://www.facebook.com/andou.ryuzi


安藤さんは、アシナガバチに対する誤解を解き尊厳を取り戻したいと、駆除依頼されたアシナガバチの巣を保護し、専用の巣箱に入れて、農業利用を提案されていました。

これこそ私がやりたかったこと!と思い、すぐにご連絡し、早速巣箱を畑に設置して、アシナガバチに畑を飛び回ってもらっています。

 

アシナガバチに対する誤解

畑に蜂がいると怖いように思うのですが、アシナガバチは、巣を攻められたと感じたときだけ攻撃的になるようで、普段は我々を気にぜず芋虫を探して飛び回っています。

専用の巣箱は、アシナガバチの天敵のスズメバチは入ってこれないくらいの小さな入り口になっているため、巣が守られていると思っているためか、近づいても警戒されません。

 

安藤さんにいろいろな研究成果をお伺いすると、一つの巣で1日○匹とってくるなどのデータもあるそうで、芋虫を我々が駆除することなく、アシナガバチの生きる糧にすることで、生態系に近い形で農作物を守ってくれるので、有効利用ができると思っています。

 

こういったことから、今年も安藤さんから駆除依頼されたアシナガバチの巣を保護して、巣箱に入れた状態でお届けいただけました。

 

りんごと桃の畑に引っ越してきてもらったので、たくさん芋虫を狩ってもらいたいと思います。

この記事を書いたのは

Writer
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代表取締役
井形 誠
2007年ころから、「あらゆる生き物と共存する農業の仕組みを作る」と自分の方針を固め、自然栽培の農業研修を受け、自然栽培食品店の責任者をし、自然栽培の果樹園を拓きました。 農業に転職する時、「販売の得意な農家になれば、後発農家も優位に立てる」と考えてマーケティングを勉強し、それを活かして「やればやるほどに自然が豊かになる農業」に取り組んでいます。 『薬に代わる食』『人と地球の健康を改善する』『いのちを大切にする文化を育てる』そんなテーマに共感できる方々を前進していきたいと考えています。

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