コラム
自然か、自然じゃないか。
最近、大学院生から自然に対する取り組みについてオンラインでインタビューを受けました。
たくさん質問されて、それに答えていくことで、自分の考えが整理されてまとまっていく機会になるので、喜んでお受けしたのですが、やはりとても良い発見があったのでここで共有させて頂こうと思います。
「あわい」という言葉
私たちの取り組みの中で『あわい』という言葉で表現することが多くなってきました。
「あわい」とは、二つの事柄の”間”を示す場合もありますが、私たちのなかでは、グラデーションのようで○色と特定しづらいが、”どちらとも言える”ことを指す言葉として使っています。
畑であり、森であり
いま私が興味を持って模索しているのが、川から山までの一帯の生態系をつなぐため、協生農法と自然栽培とアグロフォレストリーなどの畑と里山・森をグラデーションにする里山の農業です。
川→畑(協生農法・自然栽培・アグロフォレストリー)→里山→森林
つまり、
畑なんだけど森でもあり、
畑なんだけど自然でもある、
のようなはっきりとしない部分を用意できれば、
その一帯に生態系を拡張させることができるのではと考えています。
その一つとして、小さなりんごと桃の畑に、それ以外の果樹と近くの木々を植樹して、多様性のある”果樹の森”を作ろうと動き出しました。
我々の暮らしが川と森を分断し、あらゆる生き物たちの生息域を狭めてしまったものを、これらの考えで成り立つ農業の仕組みを構築することで、社会経済と自然との共生を見つけたいと考えています。
畑は人が手を加えるものだから自然ではないし、
人が手がけた生態系も自然ではないのかもしれません。
ただ人の手で壊してしまった生態系を人の手で回復できるのであれば、それが自然か自然ではないかはあまり問題ではなくなる気がします。