【産経新聞に掲載されました】RAW WINE TOKYO 出展の振り返り
このたび、私たち「いにしえ」が5月に出展したRAW WINE TOKYOでの取り組みが、産経新聞の記事に取り上げられました。
出展から少し時間が経ちましたが、この掲載を機に、あらためて当日の様子と、そこで交わされた対話を振り返ってみたいと思います。
世界中のワインと対話する場に、いにしえ初参加

今回の出展は、「いにしえ」にとってRAW WINE初参加。ご縁をいただいての出展でしたが、結果として多くの学びと発見がありました。
私たちが出したのは、自然栽培ぶどうを使った個性あふれる4種類のワイン。
来場者の方々からは「バランスがいい」「飲みやすい」「しっかりしている」という言葉を多くいただき、直接お話しできるありがたさを実感しました。
畑の草と、栽培の哲学と
私たちのブースでは、草が茂る畑の写真を掲載したパンフレットを使いながら、農薬も肥料も使わず、生きものの多様性を大切にする「生態適合農業」についてご紹介しました。
この取り組みに関心を持ってくださる方が多く、ワインの味わいだけでなく、その背景にある哲学にまで耳を傾けていただけたことは、大きな励みになりました。
学術のまなざしと出会う──林さんとの再会
当日は、慶應義塾大学大学院の林さんもブースに立ってくれました。
彼女は修士課程で「いにしえ」を研究対象とし、自然と調和する暮らしのパターンランゲージ(対話や実践の型)を探る中で、私たちの取り組みに関心を持ってくれた方です。
→ 代表井形へ取材の書き起こしはこちら
彼女自身が記者の方と対話を楽しそうにしている姿を見て、とても嬉しく感じました。
また、インタビューでは「栽培家としての視点」に多くの関心が集まり、いにしえの軸足をしっかり見てくださる方がいることに感動しました。
世界基準の中で伝えたかったこと

RAW WINEは世界中の“自然に敬意を表した醸造家”が集う場。
だからこそ、私たちは「生きものとの共生」「おいしさにつながる」と伝える機会にしたいと考えていました。
世界の中にあるからこそ、「生態適合農業」というアプローチの特異性や可能性が際立ちます。
この場所に立てたことに、あらためて意味を感じています。
林さんとこれから
今後、林さんは博士課程に進まれる予定で、研究領域も新たなフェーズに入っていくそうです。
現場での直接的な関わりは少なくなるかもしれませんが、彼女の視点から見たいにしえの取り組みをこれからも共有し続けてもらうことで、私たち自身の視野やバランス感覚を磨いていけたらと願っています。
おわりに|いのちが響き合うワインづくりへ
今回のRAW WINE出展は、ワインづくりとは何か、どんな価値を伝えていきたいのかを改めて見つめ直す機会となりました。
そして、世界でも同じように生き物や自然を大切にしたいという思いでワインを作っている方がいる、仲間がいると感じた数日間でした。
「飲むほどに自然が豊かになるワイン」を、これからも届けていきます。