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Q.自然栽培の場合、栄養はどうやって与えるのですか?

Q.自然栽培の場合、栄養はどうやって与えるのですか?

分かりやすく考えると、山などの自然は、人が肥料を与えることなく、木々が育ち実をつけるのと同じように、私たちにはまだ分からないメカニズムがあるのだと思います。

それを『自然循環』という言葉で表現していらものと思います。

ただ、果樹園や野菜畑のように、作物を収穫するため、自然の中よりも、栄養がその場から持ち出されている量は多いので、どうやって供給されているか、私も疑問に思うことは多々あります。

ですが、以下いくつかそのメカニズムをご紹介しますので、それでも自然の中で肥料を与えなくてもできるかも?って可能性を感じてもらえるかもしれません。

例えば、窒素(ちっそ)。

これは、植物の中でも最も吸収量の多い栄養素です。この窒素こそ与えないと、作物の重量を考えれば、畑がやせ細ってしまうと考えますよね。

ですが、この窒素は、与えなくても豊富にあります。

それは空気です。

空気の6割が窒素なので、いくらでも豊富にあるのですが、それを土中にいる窒素固定菌と呼ばれる菌類が土の中にとどめてくれます。

それを根っこから吸い上げることで、必要な量の供給されています。

そのほかにも、微量栄養素と言われるものもさまざまな生き物たちが運んできていくれます。

畑以外の葉っぱを食べ成虫になって飛んでくる蝶やトンボ、カナブンなども、死骸が朽ちて栄養になってくれます。

さらに、飛んでくる菜花の種もその一つです。

発芽して、空気中の窒素や歯の栄養素を蓄えて、土に還ります。それだけではなく、根っこから光合成で合成したアミノ酸を放出することもわかっています。

そして、雨もそうです。

地下水も供給源と考えていいと思います。

ここまで聞くと、「肥料を与えなくてもなんとかなるかな?」
と少し感じてもらえたでしょうか?

ただし、これらがサイクルとして効果をもたらすのは、『多様性の有無』が大きく関わってきます。

虫や微生物たちが活躍してこそのサイクルなので、殺菌剤や殺虫剤などの農薬を使われると、機能しません。

つまり、農薬を使うから、肥料が必要になるのです。

そのことから、自然栽培は、「肥料や農薬を使わない栽培」という表現よりも、『自然のメカニズムを活用する栽培』の方が適切かもしれません。

私たちは、その後者を意識して栽培と魅力づくりに取り組んでいます。

この記事を書いたのは

Writer
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代表取締役
井形 誠
2007年ころから、「あらゆる生き物と共存する農業の仕組みを作る」と自分の方針を固め、自然栽培の農業研修を受け、自然栽培食品店の責任者をし、自然栽培の果樹園を拓きました。 農業に転職する時、「販売の得意な農家になれば、後発農家も優位に立てる」と考えてマーケティングを勉強し、それを活かして「やればやるほどに自然が豊かになる農業」に取り組んでいます。 『薬に代わる食』『人と地球の健康を改善する』『いのちを大切にする文化を育てる』そんなテーマに共感できる方々を前進していきたいと考えています。

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