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スタッフコラム

Q自然栽培は、農薬を使わない代わりに、どうやって虫や細菌類の害を防ぐの?

一般の栽培では、農薬を使うことを、防除とか消毒と言います。

まず私たちは、毒を消すという考え方をしません。

「抑える」または「大量発生さえしなければよし」としています。

なので、対処療法的なことは特にしていません。

一部、虫が多く出たときは、トラップなどを作ったこともありましたが、そもそも虫がたくさん発生する原因を我々が作っているのだろう、と認めるところから始めます。

つまり根本原因は、「不自然」にあるから、「異常発生」が起こるのだと、想定しています。

なので、良質な作物をたくさん収穫するためには、自然に近づけることをたくさんやるだけです。

例えば、

・雑草をある程度生やす、

・土が踏み固められるような作業を減らし、ふかふかの状態を維持する

・雑草や虫たちの多様性が自然に構築されるように、意図的な草刈りを行う

・風が通り抜けやすいレイアウトにする

・地下水位を下げるために溝を掘る

・虫や鳥が入ってきやすいように畑をレイアウトする。

・カビや微生物が繁殖しやすい古い皮などを剥ぎ取る

・一般の栽培をしていた畑を借りる場合、化学物質を含んでいそうな、草や木の皮を集めて外に出す。

・作物の原産地の気候を再現するため、雨除けをしたり、土壌が乾きやすいように溝掘などをする。

・品種改良の影響で、なりすぎる木の実を数を落として減らす

などをやります。

不自然を少しでも自然のサイクルが動き出すように手を加えるのですが、その方法は多種多様にあります。

その時に大切なのが、上記のいずれが一番効果があったかどうかは、別に構わない、ということです。

『戦力多重増強効果』といって、一つの目的に対し、幾つもの手段を使って成果を得るという方法があります。

決定打が何か?ではなくて、兎に角目的に沿っていい結果を残せれば、それでいい。手段、特に決定打に拘らないというところが大切だ思っています。

戦力多重増強効果。

農薬を使わない代わりにどうしているのですか?

と聞かれたら、30分以上かけて上記に挙げた内容を話をしてみたいと思います(^^)

この記事を書いたのは

Writer
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代表取締役
井形 誠
2007年ころから、「あらゆる生き物と共存する農業の仕組みを作る」と自分の方針を固め、自然栽培の農業研修を受け、自然栽培食品店の責任者をし、自然栽培の果樹園を拓きました。 農業に転職する時、「販売の得意な農家になれば、後発農家も優位に立てる」と考えてマーケティングを勉強し、それを活かして「やればやるほどに自然が豊かになる農業」に取り組んでいます。 『薬に代わる食』『人と地球の健康を改善する』『いのちを大切にする文化を育てる』そんなテーマに共感できる方々を前進していきたいと考えています。

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