[代表インタビュー vol.3]地下の世界にある生態系も大切に
※こちらの記事は、慶應義塾大学政策・メディア研究科の学生、林聖夏さんに、弊社代表の伊藤誠が受けたインタビューを書き起こしたものです。
林:
なるほど。結構他の実践者の方で、そういう繁殖力が高い植物とかは根っこから抜いちゃう、みたいなことをおっしゃってる方もいらっしゃるんですよ。そうじゃなくて、今のやり方をやる理由は、やっぱり多様性の話とか、ヨモギとかも土の中に種が多分あると思うので、眠っていると思うので、そういう意味では抜いても多様性はつくれるっちゃつくれるのかもしれないじゃないですか。
そうじゃないやり方、根っこから抜いて、ちょっとでも刈る頻度を減らすっていうやり方じゃなくて、毎年毎年刈るっていう選択肢をしている理由は何かあったりしますか。
伊藤:
これは二つあって、一つは根っこの地下には、その生態系ができてるので。微生物とか虫の。そこまでは邪魔する必要ないかなと思っているのが一つと、精神面でですね、土を耕す、土を掘るっていうのは結構な自然への侵害行為だと思ってるんですね、簡単に言うと。
神様がいるとかっていうこととちょっと、まあ神様がいると思ってもいいんですけど、土を掘ることに関してやっぱ自然の許しをもらいたいなという気持ちはちょっとあるので、できるだけ草も刈るのも一緒なのかもしれないけど、できるだけ土を掘るっていうことは避けたいと思ってるんです。土を掘った瞬間、微生物たちが、コロニーっていうかね、その生活が1回壊されてしまって、そこを修復するのにまた時間がかかるっていうのもあるし、一度壊して新たにつくるのも大事な考え方かもしれないですけど、基本的には土を耕すことなくやってくっていうことをベースにしてて。
ただ一部でその土が窒息して固まってしまって、地下水が流れるとか、地下からくるガスが抜けないとかっていう悪い現象が起きる場合があるので、そういうときはちょっと土を掘ったり穴開けたりとかして。意図的にはやるんですけど、草刈りをするとか、除草したいから根っこから抜くっていう考え方は、基本的にはしてないですね。草を倒すだけで、光が届けば発芽する種がいるので、それだけで十分かなと思ってます。
林:
畑を今してるんですけどやっぱり大変なんですよね。私も草を抜いてないんですけど、抜きたくなる気持ちもわかるなっていう。
伊藤:
そうそうそうそう。
林:
そこは葛藤しているんですけど。
伊藤:
やっぱり誰の都合でやってるかっていうところを意識すると、自然の中に私達の恵みをいただくような何かをやってると思うと、土を掘るのは私達以外の都合はないわけじゃないですか。
林:
そうですね。
伊藤:
そう考えたときにできるだけいろんなやり方がある中で、もし見つけられるんだったらそういった私達が手をかけるのを最小限にしつつ、自然の力が発揮できる環境を用意したいと思うと、除草して根絶やしにしたいのはわかるんだけど、でも違う方法で勢力図を変えればいいかなと思ってるので、うん。旺盛になったときに草を刈ることで他の草が生えてくれば抑えられるかなと、今考えてやってます。
今後ね、もしかすると、これじゃやっぱ難しいってなってやり方を変えるかもしれないけど、でもできるだけその土を掘ることなくやる方法っていうのを見つけていきたいと思ってます。
林:
結構今はそれでいい感じですか。
伊藤:
いや全然まだまだ。
林:
やっぱり果樹とかはやりやすいんですか?
伊藤:
そうそうそう。