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常在菌って必要?消毒は常在菌とどう関係するの?

常在菌を野菜から摂る

1. 常在菌とは?

常在菌とは、人間の身体に自然に存在している微生物(細菌)のことを言います。人の場合、腸内に最も多く存在し、他には口腔内、皮膚表面などに常に存在していて、健康を維持するために重要な役割を果たしています。例えば、皮膚のバリア機能を強化したり、有害な細菌やウイルスの侵入を防いだりする働きがあります。よく聞く乳酸菌やビフィズス菌、大腸菌なども常在菌の一種です。

人の身体にいる常在菌の数は膨大で、腸内には100兆個、皮膚には1兆個以上いると言われています。人間の身体はおよそ60兆個の細胞でできているので、いかにたくさんの菌と共生しているかがわかります。それら膨大な数の常在菌は善玉菌と悪玉菌に種類分けされ、一般的に善玉菌は宿主の身体の健康維持に貢献し、悪玉菌は身体に害を及ぼすとされます。
しかし、善玉菌でも現れる場所によって害を及ぼす病原となる場合があるので、あくまでそれぞれの菌がいるべき場所にバランスを保って存在する事が大事であることを知らなければなりません。

2. 消毒とは?

消毒は、病原菌やウイルスを殺すために行う衛生的な措置です。消毒剤やアルコールを使って手や物を清潔に保つことは、感染症の予防に有効です。特に、風邪やインフルエンザ、そして近年の新型コロナウイルス(COVID-19)など、感染症を防ぐために重要な役割を果たしています。

医療の現場では欠かせなかったり、飲食業界でも特に近年の新型コロナウイルスの影響で、かなり重要なものと位置づけされたりしています。しかし、消毒液のつけすぎで皮膚が乾燥してしまうなどの声も多かったように感じます。

3. 常在菌と消毒のバランス

ここで重要なのは、消毒をしすぎることが常在菌にどのような影響を与えるかという点です。適度な消毒は健康を守るために欠かせませんが、頻繁な消毒は常在菌まで減少させ、人間が本来持つ身体の機能を弱めることがあります。例えば皮膚の場合は、消毒液の事例のように、乾燥したり、外部の刺激に対して敏感になったりすることがあるのです。

4. 免疫力と常在菌の関係

皮膚の常在菌は、私たちの免疫システムに直接的な影響を与えることがわかっています。常在菌が適切なバランスを保っていると、皮膚は外部からの病原体に対して強い防御力を持ちます。しかし、これが乱れると、有害な細菌が増殖しやすくなり、感染症や炎症が起こるリスクが高まります。

腸内の常在菌は、消化を助けるだけではなく、免疫系をサポートし、炎症を抑える働きをしています。皮膚と同じくバランスが崩れると、消化不良や免疫力の低下、さらには肥満や糖尿病、うつ病などの慢性疾患に影響を与える可能性があります。

このように、常在菌が免疫力に影響を与えることを述べてきましたが、過剰な消毒や抗菌製品の使用が、自然免疫の機能に影響を与える可能性もあります。消毒や抗菌製品の使用が常態化すると、体が日常的に接触する微生物に対する適度な抵抗力を失うことが考えられています。特に幼少期に過度な衛生管理が行われると、将来アレルギーや自己免疫疾患のリスクが高まる可能性があります。

  • 「衛生仮説」について: この仮説では、幼少期に一定量の病原体や微生物に接触することで、免疫システムが適切に発達し、将来的なアレルギーや過敏反応を防ぐという考えが示されています。
  • 適度な衛生管理の重要性: 完全に無菌環境を目指すのではなく、必要な場面で適切な消毒を行い、日常的には手洗いや適度な清潔さを保つことが推奨されます。

5. 消毒と環境への影響

消毒は感染症予防に有効ですが、過剰な消毒や化学物質の使用が環境に及ぼす影響も無視できません。特に、消毒剤や抗菌製品に含まれる成分が自然環境に流出することで、土壌や水質に影響を与え、生態系にダメージを与えることがあります。

  • 環境中の抗菌成分: トリクロサンなどの抗菌成分が排水を通じて川や海に流れ込み、そこでの微生物に影響を与えることが懸念されています。このような物質が蓄積すると、環境中のバクテリアが抗菌剤に耐性を持つようになり、将来的に抗生物質が効かなくなるリスクもあります。
  • エコフレンドリーな選択: 環境への影響を軽減するためには、消毒剤の使用を必要最小限に抑えたり、自然由来の抗菌成分を使った製品を選ぶことが推奨されます。また、石けんと水での手洗いは、環境への負荷が少ない効果的な衛生習慣です。

6. 添加物と健康への影響:腸内環境と免疫の関係

食品添加物も腸内の常在菌に影響を与える可能性があります。防腐剤や人工甘味料などの一部の添加物が腸内フローラに負担をかけ、腸内バクテリアのバランスを崩すことが研究で示されています。腸内環境の悪化は、腸漏れ症候群(リーキーガット)や慢性的な炎症を引き起こし、これが免疫力の低下やアレルギー反応の増加につながる可能性があります。

  • 腸内環境に悪影響を及ぼす添加物: 例えば、人工甘味料(アスパルテームやスクラロース)は、一部の研究で腸内細菌のバランスに悪影響を与える可能性が示唆されています。また、過剰な防腐剤の摂取も腸内細菌の多様性を低下させることがあります。
  • 添加物の摂取を減らす方法: 無添加やオーガニック食品を選ぶという選択肢もありますが、まずは、加工食品を減らし、野菜や果物などの自然食品を多く摂ることで、腸内フローラのバランスを保つことができます。

7.常在菌が多い人の特徴

どんな人に常在菌が多いのかということや、常在菌のバランス、多様性には個人差があり、生活環境や習慣、健康状態によって異なります。常在菌が多い人の特徴としては、農業に従事している人などの、土壌や植物、動物に触れる機会が多い人や、食物繊維や発酵食品を多く摂取する人などが挙げられます。

反対に、抗生物質の使用が多い人や過剰に消毒や洗浄を繰り返している人は、身体にとって有益な錠剤金まで殺したり減少させたりしてしまうため、バランスが崩れ、トラブルが起こりやすくなるかもしれません。ストレスや年齢・性別の影響、ホルモンバランスも常在菌に影響を与えます。

まとめ

常在菌と消毒・添加物は、皮膚の健康だけでなく、腸内環境や免疫機能、さらには環境への影響とも深く関連しています。私たちの体内に共存する微生物と、消毒や添加物の使用とのバランスを取ることが、健康的で持続可能なライフスタイルの鍵となります。適度な消毒と衛生管理、そして自然に近い食品や商品選びを心がけることで、自分たちの健康と周りの環境をよくしていくことを両立できるのです。

常在菌が多く、バランスの取れた状態を維持するためには、自然環境との接触、バランスの良い食生活、抗生物質の適切な使用、ストレス管理、そして適度な衛生管理が重要な要因となります。これらの要因が整っている人は、常在菌の多様性や量を保ちやすく、健康を維持しやすいと考えられます。

私自身、ニキビに悩み「菌」=悪いものだと思ってきました。皮膚科で処方されたものを使っても、ヒリヒリしたり、皮が剥けたりして思うように改善できませんでした。このタイミングで、ニキビがきれいに治る方もたくさんいると思いますが、私には合っていなかったのです。今では、ほとんど肌に何も塗らない状態ですが、当時よりきれいな肌の状態を保つことができています。これには、常在菌と消毒が関係していると感じています。いろいろなものを肌に塗ることで、ニキビのリスクとなりうるもの全て、常在菌すらも減らしてしまい、本来肌が持つ再生能力がなくなってしまっていたと、私なりに理解しています。

現代では、たくさんの魅力的なモノで溢れています。賞味期限の長い食品、見栄えが映える食べ物、香りの良い衛生商品、保湿力の高い化粧品など、口に入るものから肌に触れるものまで多種多様です。しかし、その魅力や利便性が私たちの健康や環境に影響するということを、少しでも頭に入れておくと、手に取る商品や使用する意味・頻度について考えることになると思います。

私も実際に経験してみてわかったことですが、健康や環境を考えて自然と調和したライフスタイルを心がけてみると、どんどん身の回りのものや感情さえもシンプルになっていき、心地良く感じられるようになりました。どんなことでも、まずは知ることから始まります。完全な無菌状態は人工的に作り出さない限り存在しません。そのなかでいかに菌とともに共生していくか、菌が定着する環境を整えて正しい方向に力を発揮してもらうかについて考え、方法を知り、それに沿った行動を起こして、心地良い暮らしを実感してみませんか?

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株式会社いにしえ
株式会社いにしえ 山形県天童市糠塚2丁目3−11 023-616-7555 自然栽培の原料で、伝統文化などから健康に役立つ製造法で商品を作り販売する会社。

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