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[代表インタビュー vol.6]生き物の暮らしの場を実験的につくってみることで、生態を知ってみる

 ※こちらの記事は、慶應義塾大学政策・メディア研究科の学生、林聖夏さんに、弊社代表の伊藤誠が受けたインタビューを書き起こしたものです。

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伊藤:

そうすると、巣箱があって、50cmぐらい離れたところをこうやって覗き込んでも、あんまり怒らないんですよ。

林:

へえ。

伊藤:

守られている、っていう安心感だと思うんすけど。そうすると、作業している私達も安全なので、巣箱に入れたアシナガバチが畑にあると、比較的安全な形で畑の作業もできるし、イモムシもとってもらえるので、これは最適だと思って今やってるんです。それもその安藤さんっていう方が、アシナガバチの巣の駆除を依頼されるので、それはかわいそうだから、駆除しないで、巣をねビーを入れて生きたままで、巣箱の中に移設して、移設したやつを私に持ってきてくれるんですよ。そうしたら畑に置くだけ。そうするとその6月から9月ぐらいの間に働いてくれるので、何か場所によっては1ヶ月で何千匹って取ってくるらしいので、人が手で駆除するとか農薬の方が圧倒的に強いですけど、だいぶ害は減らせると思うんですよね。

林:
そうですよね。

伊藤:

一つはそういう方法もちょっと使ってるという。

林:

最初はハチっていうのを聞いたときに、それ逆に人間がなんか生きづらく暮らしにくくならないかみたいに思ったんですけど、害が少ないというか、ない。

伊藤:

結局、ハチたちも守るものがちゃんとあってああいう武器を持ってるときに、やっぱ自分の巣を守るために生きてる、生きてるというか、針を持ってるんですよね。それ以外結構かわいいもんで。私達に興味がないので。裸の巣だと、半径何mかな、1.5mか2mぐらいで警戒し始めるんだけど、巣箱に入ってると50cmぐらい近づいても全然警戒しないんですよ。

林:そうなんですね。

伊藤:

そういう生態を教えてもらえると、ただ単に怖がるんじゃなくて、正しく怖がることができてここはやっちゃいけないことだよと。それ以外は大丈夫だよとか、あと当然飛んでるときに掴んじゃうとね、向こうも攻撃してくるので、何か木の実にとまっているときとかに、いるかどうか確認してから触るとかっていうことさえできれば、そんなに危害を加えてくるものでもないので、そうなるとね、リスクよりもメリットの方が大きく感じられるので、そしたら共生できるかな。

林:

そうですね。いや、いいですね。他のもう一つっていうのは何かありますか。

伊藤:

あとは、多様性をつくるためだっけ。

林:

そうですね。アシナガバチっていうのが一つあるかなって思ったんですけど・・・

伊藤:

あと、スズメバチ。スズメバチもね、チャレンジしようかと言っているんです。

林:

ススメバチ、危なそう。

伊藤:

ちょっと私も若干怖いなと思ってんだけど、やっぱそれも、スズメバチもね、天敵が多いんですよ実は。クマとかにも当然やられますし、カマキリとかトンボとかにもやられるんですよ。彼らも、すごい怖いんだけど巣を守ることにしか攻撃をしてこないんです基本的には。

林:

本当ですか(笑)。

伊藤:

うん。ただねその巣を警戒する領域が広くて、半径7、8mぐらいの間で警戒するので、私達が巣を見つける前に向こうが警戒して襲ってくるから、ススメバチって怖いんですけど、やっぱそれも巣箱に入ってたりするとだいぶ変わるらしいんですよ、落ち着き方が。畑の中に置くのはちょっと危険だけども、近くの山とかスギ林の中に10何m立ち入り禁止区域をつくれば、そこに巣箱を置くことで、いろんな虫を、コガネムシとかも獲ってくれるので、結構そういったものが食害を受けてるようなとこだったら、効果は出そうかなと。ただ、行動範囲がめちゃめちゃ広いので、その畑だけで活躍するかどうかっていうのはちょっと難しいんだけど、誰もやったことがないので、いつかやってみたいなとは思ってます。最初のうちは、誰も入らずに私だけ入るような畑にして、そこで本当にハチの様子を見て、攻撃性が薄まるんだなとかってわかればいいかなと思ってるので。

林:
確かにやっぱりそれは巣とかをつくった方が良いんですかね。虫が寄ってくるような植物を植えるとかも、協生農法の方法としてあるなと思い。巣をつくるっていうよりかは、いろんな植物を植えたらいろんな虫が寄ってくるからそこで牽制し合うみたいな話。

伊藤:

そうですよね。

林:

やっぱり箱としてつくった方が、何か良い点とかはあったりするんですかね?

伊藤:

これは一つの方向性とかステップの違いなんですけど、協生農法が目指す先っていうのは、まさに自然の生態系をそこに再現するに近いと思うんですね。で、今、スズメバチの行動範囲って数km、10km近くあるので、それを考えると、協生農法の世界の話じゃなくなってくると思うんですよ。ただ、協生農法が世界中に広がればいいと思ってるから、それはその考えをもって、もう一歩手前のところで、ハチとの考え、暮らし方の考え方とかを見る上で一つのステップとして大事かなと。で、じゃあそれはどういう生態をしていて、どういうとこに巣をつくるっていうのがわかっていれば、協生農法を広げる中で、こういうエリアがいっぱいあるとハチたちが巣をつくる場所ができるからうまく共存できるかもね、っていうことに繋がるのかなと。全部自然に任せればいいってことを考えればね、私達が何か巣箱を用意する必要は全然ないんだけども、ただ生態系を知るっていうことが、そこの発展をする上での大事なステップになるのかなと思ってるので。実験的意味合いが強いですね。

林:
結構生態系を知るっていうところが強いんですよね。

伊藤:

うん。そうそうそう。やっぱり、ハチが来て怖いとかってなっちゃうじゃないすか。

林:

なります。

伊藤:

うん。だけど、巣がどこにあるかがわかってれば、怖がる必要がないのがもうわかるわけですよ。

林:
そうですね。

伊藤:

この子たちは私達のことも怖がるし、逆に関心もないのがわかるので、普通にしていれば、近く通っても何も怖くないし。うん。っていうのがわかると、協生農法の畑にきたハチに対しても、どう対応していいかがわかるから、自然の一員としての過ごし方ができるわけですよね。

林:
なるほど。

伊藤:

うん。正しく怖がるっていうのはすごく大事だと思ってるので。

林:

いいですね。今の自然の一員として過ごすことができるって、すごい、いい。

伊藤:

むやみに怖がるっていうのはわからないから怖がるわけで。

vol.07に続く

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