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[代表インタビュー vol.8]生き物を「守る」というのではなく、「活躍できる」ような環境を整える

 ※こちらの記事は、慶應義塾大学政策・メディア研究科の学生、林聖夏さんに、弊社代表の伊藤誠が受けたインタビューを書き起こしたものです。

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林:
それがきっかけだったんですね。YouTubeに伊藤さんが載っていたので見させてもらったんですけど、そうなんですね。結構伊藤さんの中で、命を守る農業っていうのが大事っていうので、今虫が出てたと思うんですけど、虫以外で、微生物だったりとか、他のものを守るために何かしてることってあったりしますか?

伊藤:
これ多分守るっていう感覚とちょっと違くて、彼らが介在してくれるっていうのが大事だと思ってるんですよ。

林:

介在してくれる。

伊藤:

彼らがいるからこういうふうに成り立ってるんだっていうのが、大事なんですね。私達が守ろうとするんじゃなくて、彼らが活躍してくれると、いい作物が育つよっていうのが、ベクトルが向く方向。守らなきゃいけないっていうのは、多分自然の中にいるんじゃなくて、私達が頂点になってしまってるわけですよね。

林:

確かに確かに。

伊藤:

うん。自然の力を借りるっていうのは私達がきっかけをつくるかもしれないけど、その自然のシステムが働き出したら自動的になるので、守るっていうよりも彼らに介在してもらうことが大事だと思ってて。その一つで言うと、鳥ですよね。果樹園って結構ネズミの害が多いんですよ。

林:

へえ。

伊藤:

ネズミが冬の間に雪が下から潜って、土の根っこの皮を剥いたりとか、苗木を食べちゃったりするんですよ。そういうのに対して今殺鼠剤っていうネズミを殺す農薬があって、リンゴに毒をまぶして穴に入れとくんですけど。ネズミを殺す農薬があるんですけど、やっぱそれを見たときにちょっとショックだったので、私達が殺す、いただかない命を殺すんじゃなくて、誰かが食べる命、食べるもんだったら命をいただいてもらおうと。なので、ネズミを獲る動物は何かなといったら、あの猛禽類って言われるフクロウとかタカとかそういう類の動物がいるわけですよ。彼らがネズミを獲りやすい環境になれば、私達が駆除することなく彼らの生きる糧にネズミがなってくれる。じゃあその環境を用意しようと思って、畑のまだ苗木とかの木が少ないところに、3mから4mの棒を立てるんです。そうするとそこの上にとまってくれて、その上からネズミとかを監視してるわけですよ。それを見つけたら飛び立ってネズミを取ってくれるので、私は無駄に殺すことなく、彼らの生きる糧としてネズミを獲ってくれるので。そしたらネズミはねちょっと餌になってもらっちゃうかもしんないけど、でもそれは全部が絶滅するほどは獲れないので、バランスよく獲ってもらうっていうことで、私達の食害が減って、ほどよく果樹園がちゃんと運営できて、鳥たちもお腹いっぱいで生きる、繋ぐことができるので、そうやって、木を用意したりとか、ハンティングしやすい環境をつくってあげることで、自分たちがいただかないものは、違う動物たちにいただいてもらうということをしています。

林:

なるほど。そのタカとかフクロウとかが増えることによって逆に新たな害が増えるとかも特にはないんですか?

伊藤:

私達に対する害っていうのは特になくて、結局肉食の動物なので、あんまり木の実とかを食べないんですよ。

林:

なるほど。

伊藤:

うん、だから、元々数は少ないけども、私達にとって害になることは少ないし、タカとか、タカは来るかちょっとわかんないけど、フクロウとかがまず来ると、その気配を感じてネズミたちもその畑に生息しづらくなるじゃないすか。敵がいることがわかるから、糞の臭いとかで多分ね。そうすると必然的に、畑からネズミが減るんですよ。食べられなくても。なので、そこに私達の畑に、フクロウとかタカが来てくれることで、生息してるよ、ここ縄張りにしてるよっていうのを感じた生き物たちは、やっぱりそこは安息の地じゃなくなるので、少しずつ減ってくし、大量発生しなくなる。かと言ってネズミが全部害かっていうとそういうわけでもなくて、ネズミはほどよく土を掘ってくれるので、土に空気を通してくれたり水を通してくれたりするので、全然ゼロである必要はないんですよね。

vol.09に続く

この記事を書いたのは

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株式会社いにしえ
株式会社いにしえ 山形県天童市糠塚2丁目3−11 023-616-7555 自然栽培の原料で、伝統文化などから健康に役立つ製造法で商品を作り販売する会社。

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