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[代表インタビュー vol.15]土が良くなるきっかけづくり

 ※こちらの記事は、慶應義塾大学政策・メディア研究科の学生、林聖夏さんに、弊社代表の伊藤誠が受けたインタビューを書き起こしたものです。

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林:

今結構、虫とか、植える木みたいな、どっちかっていうと、見えるところを聞いてる感じがしているのですが、土に対してのアプローチとかって何かしてたりしますか?

伊藤:

さっきの土は本業というか、果樹で考えると、基本的にほっくり返したくはないんですけども、さっきから言ってる通り、もう元々はもう自然じゃないです。そうですね。だから、やっぱ土も手を入れてあげなきゃいけないなと思ってるんですね。土の中は私はまだまだわかってないことがたくさんあるんですけど、今気づいてきているのが、土の中の水の下がっていく流れと有機物が分解されて出てくるガスが、水の流れと逆行して上がっていくわけです。水が下がるとガスが上がる。

ガスが空気中に放出されたらいいんだけど、土が押し固まってると、空気が通れなくて、ガスが抜けていかなくなる。そうするとガスが溜まって根っこの成長が悪くなって、土の中の環境が悪くなるっていうのがわかってきてるので、もう不自然に固まってしまった土を、どういうふうにそのガス穴をつけてあげようかなっていうのは少し考え始めているところ。それがガスが抜けると水も下がりやすくなるし、ガスが抜けると土中環境が良くなるので、ちょっと縦に穴を掘るとかはね少しやったりするんだけど、それもきっかけだけつくってあげて、あとは草花とか木が生えて、根っこが穴を開けてくれて、木が枯れて、根っこの部分が細くなってまた空気層ができてっていう繰り返しで、土が良くなってくるかなと思って、きっかけづくりはやっぱり私達がやんなきゃいけないかなと。

もう不自然を作ってしまったものから、自然に近づけるためのきっかけを私達がつくって、あとは植物とか生き物とかが多様にそこにいれば、彼らの活動によって改善されていくんじゃないかなと思っていますね。ちょっとそこはまだ私もわからない部分が多いので、今勉強してるところですね。

林:
その土が固くなるときってどういうときなんですか。

伊藤:

結局、農作業機、農業機械が入ると、すごく重量があるので、歩いただけでやっぱり何cmも下がるんですよ。土が絞られて。やっぱりそれが回復するのって、根っこが掘り下げるか、虫が掘るか、ネズミが掘るかとかしかないので、1回やったことが回復するのにやっぱり4-5年かかると思ってるんですよね。たくさん畑に人が入るのも、何度も何度も踏んでいくのでやっぱりそれに近い形かなと。農家さんとして、逆行するんですけど、畑に何度も出てるっていうのは、土を傷める可能性があるので、なるべく余計に入らないというのは大事かなと私は思って。

林:

なるほど。そういう意味でもできるだけ最小限にっていうのは結構理に適っていますね。

伊藤:

そうです。そういうのもすごく大事だし、私がブドウをやっていたときは、よくその自然栽培のブドウだから見に行きたいっていう人が結構いらっしゃったんですけど、お断りしていたんです、ほとんど。土を固めてしまうので、ちょっと来て欲しくないと。性格の悪さももちろんあるんですけど、なるべくやっぱ来てもらわないで、来てもらって外から見る分にはいいんでしょうけど、ちょっと中に入られるのはやっぱ嫌だなと思ってて。作業とかもなるべく入りたくなかった、というか入らないようにしたかったし、結構そこは木村秋則さんから教わって。雪が積もったときに歩いたときにですね、自分が踏んだ足跡を、こういうふうに足を踏むじゃないですか、雪をね。ズボズボって入っていくわけです。そしたらそれをスコップで断面掘ってみなさいと言われたんです。横から見たら、足がぐっと入ってますよね、踏まれて。そしたら、ここだけが固まってるんじゃなくて、円筒状に下まで、30cm雪で踏まれると、その下50cmか60cmぐらいまで雪が圧迫してるわけですよ。これって土の中と一緒だよって言われて。自分が2cm踏み固めたら、その下10cmぐらいまでは固まって窒息してるから、そこに空気層がなくなって、微生物も虫も生きれなくなってしまうから。踏み固めることでこうやって生き物の環境を減らしていくので、余計な作業とかは入らないようにしようっていうのを教わったんですね。

林:

逆に入るときはどういうときなんですか。本当に収穫とか?

伊藤:

いろんな作業で入るので、なるべく余計なことはしないとか。あと、ゆっくり歩くと圧が低いのでそんなに固めないんだけど、走ったりするとぐっと踏み固めてしまうので、畑の中で絶対走らない。

林:
おもしろい、そうなんですね。

伊藤:

それは気をつけなきゃいけないなと。

林:

走っちゃってるかもしれないです。

伊藤:

畑は走らない、絶対。

林:

ちっちゃい子はダメですね、結構走ってますねちっちゃい子。

伊藤:

子供たちが経験することって大事なので、土を負うリスクよりも、未来のことを考えたときには彼らを畑に入れたあげた方がいいと思うんだけど、でも同時に何か教えてあげることがやっぱ大事かなと思って。

林:
ええ、面白い。あの雑草たちを倒すローラーみたいなのを使ってらっしゃるじゃないですか。それも結構土にとっては本当は負担なんですか?

伊藤:

そう。負担だと思う。ただ、真っ平だとただ固めていくんだけど、ローラーに歯がついているので、そこで点圧をしていく。部分部分で押していくので、全体的な影響は少ないかなと思ってるのと、草を倒してポキッと折るためのものなので、草が上に乗っかってくれて、その圧を減らしてくれるかなと思うので、ちょっとそこはまだ様子を見てるところ。これがいいかどうかはこの後わかってくるかなと思ってますね。うん。

林:

なるほど。そういうローラーを持ってないので踏んでたんですよ。ちょっと今駄目だなって思います。

伊藤:

まあ、やり方はいろいろあるしそれがわかってればできるだけやらないとかできるじゃない。そこの違いが大きいと思うので、入っちゃいけない、やっぱ入らなきゃいけないけども、少しでも負担を減らしてあげるっていうふうな意識が大事かなと思いますね。

林:

初めて知りました。

vol.16に続く

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