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[代表インタビュー vol.2]アンバランスな調和のある自然の状態に近づいていくお手伝い

 ※こちらの記事は、慶應義塾大学政策・メディア研究科の学生、林聖夏さんに、弊社代表の伊藤誠が受けたインタビューを書き起こしたものです。

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伊藤:

答えは見つかってないんだけども、やっぱり多様性がすごいポイントになってるかなと思ってるんですよ。で、そのときに。雑草を生やしておくっていうのは多様性とはちょっと違う世界だなというのがわかってきたんですね。

林:

なるほど。

伊藤:

雑草っていうのは、植物の中で競争する中で優勢というか強いものが先に出てくるから、そこが茂って旺盛になってるんですけど、でもそれが何年もバランスを変えて繰り返していくうちに、場が整ってくると思うんですよ。なので、今私達がやってることは、草と木が多様性があることで、程よく光が制限されて、草の生え方が変わってくるとか、自然に戻る。

畑が不自然なので、自然に戻る過程を私達はお手伝いをしてるんですけど、そのときに旺盛すぎるものを減らしていくっていう作業を草刈りでやるんですね。そうすると、春夏秋冬に出てくる草花がそれぞれ多様になっていって、お互い牽制し合って自然に近づいてく。その中に私達が欲しい植物が育っていくっていう環境が、私達も一つの目指す先かなと思ってるので。それを実践してる感じですかね。

ちょっと何が完成系かは何となくしか見えてないけども、手をかける部分っていうのはゼロじゃなくて、不自然から自然に戻す作業として手をかけなきゃいけないかなと。そういうふうに手をかければ、地球環境負荷をかけることも少ないですし、逆に自然に戻ってく。

畑が自然に戻っていけば、これいくら増やしたって喜ばれるじゃないですか。だし、この農業を増やしていけばガスも減るし、生き物との共生で生き物を殺すとかっていうことを私達はする必要もなくなるので、こういった形の農場ができればどんどんどんどん増やせていいと思える。それがやればやるほどっていうことなんですよね。

林:
なるほど。

伊藤:

そこに農薬も介在しないので、生き物を殺すこともないし、でもちゃんと私達の生きる糧は取れるような仕組みになってるので、やればやるほど、地球から後押ししてもらえるような農業の形になるんじゃないかなと思ってます。

林:
不自然から自然に戻るっていうところの自然っていうのをまずどういうふうに捉えてますか。

伊藤:

人が手をかけないっていう考え方とはちょっと違うんですよ。大きな波があると思っているんです、自然の中に。いろんな波があってそれが不バランスが、なんだろう、アンバランスな調和みたいな。常に波があって、生き物もねいろいろ絶滅するのも出てくるし、自然の中でもそういったものが出てくるんですけど、人はどっちかっていうとそれを一律にしようとしてしまうと思うんですよ。

畑だったら草を全部刈って同じものが生えているとか、均一性を保てるとかっていうので、波がない状態をつくろうとするんですけど。その結果波がない状態をつくったところから1回強いものが先に出てきてしまうのは、不自然をつくったから、旺盛な雑草が強くなってしまう。

そこをまたもう1回手を加えてあげて、多様性ができて、私達が介在しなくても植物同士とか生き物同士がバランスし合って、牽制して、波が小さく収まっていく。いろんな波があるっていう状態が自然なんじゃないかなと私は思っていて。

林:

なるほど。例えば草刈りのときも、一気に草を刈るっていうよりかは、何だろう、いろんな波ができるような草刈りの仕方とかをやってらっしゃるんですか。

伊藤:

そうそうそう。果樹園でやる場合と野菜畑はちょっと違うんだけど、果樹園でやるときは、今、例えば草刈りをバーって一律にやった場合って、春にヨモギと、セイタカアワダチソウがすごく増える場所なんですよ。あとクズか。圧倒的に強くて、他は生えないぐらいにしてしまうようなものなので、そういったものたちは、先に切り倒してしまうんですね。

結構背が高くなるときに、日陰になって小さいのが生えてこれない。例えば、ヨモギとかセイタカアワダチソウっていうのは4月ぐらいからもう芽が出て、結構伸びてくるんですけど。じゃあ5月からでてくる草とかが、先にそれが大きくなっちゃうと出て来れなくなるので、5月になる前に、セイタカアワダチソウを落としておくと、5月に出てくる草が伸びてくれるんですよ。

同じようにそれが6月7月8月と出てくるので、何回かのタイミングで、旺盛になりそうなものを落としていくと、そこに空いたところにその時期に入りやすい草が生えてくるので、手をかけた分だけ多様性が増えてくるんですよね。あと上に樹があれば、太陽光が少ない分だけ、太陽光が少なくても生えてこれる草も出てくるので、時期の違いと、日射環境っていうのかな、によっても草の生え方が変わると思うので、そこにいろんな陽の当たり方とか、陰になる樹とかを用意してあげることで多様性が生まれてくるんじゃないかなと。

そこに持ち込む種とかっていうのは特にないんだけど、樹木、果樹に関しては、私達は意図して植えて、そこから木の実をいただくってことをしたいので、そこは外から入れるんですけども、それ以外は、そこに眠ってた雑草とか、鳥が運んできたものとかが多分出てくると思うので、そこはもう自然におまかせして、自分たちでアンバランスな調和みたいなのを取ってもらったらいいなと思っている感じですね。そこまで持ってくのに手をかけなきゃいけないかなって。

林:

なるほど。結構関わる頻度とかは高いですか。

伊藤:

本当はねそんなにやりたくないんだけど、やっぱり最初のうちは、やった方がいいんですよね。外来種がどうしても先に強くどんどん出てくるので。多分、樹があって木陰ができてくると、だいぶそこのバランスも変わってくるので、畑をね0から、木の苗から植えていって、5年10年でやっぱその過程では、毎年違うやり方になると思うんですけど、ここは多様性があってお互い牽制し合うっていうところに向かっていくので、1年目のやり方と、木が育ってきた5年目のやり方がだいぶ違うと思うんですけど。

でも、目的は同じで、多様性をつくって、お互いを牽制し合うというか、調和し合う方向性に持ってく、それが自然に近くなる畑かなと思ってるんですね今のところは。

林:

例えばヨモギを最初の方に、セイタカアワダチソウとかが最初に出た場合は、その子たちはもう、その後は出てこれないこともないってことですか?その子たちはその子たちでまた立ち現れてくる?

伊藤:

まあ下から。土があって、このぐらいの流さになるじゃないですか。ここから切っても、こっからまた脇芽から出てくるんですよ。一本が何本にもなって出てくるから、それはそれでやっぱ元々強い草なので、全滅するということはほぼないですね。

vol.3に続く

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株式会社いにしえ
株式会社いにしえ 山形県天童市糠塚2丁目3−11 023-616-7555 自然栽培の原料で、伝統文化などから健康に役立つ製造法で商品を作り販売する会社。

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